几帳面でダラしない

usakima2006-01-21

<A面>

友達の家にはじめてお邪魔することになった。
「なにも無い部屋だけど、まあ入って入って」
「お邪魔しまぁす」

――――ガチャッ。

「えー、キレイにしてんじゃん!」

その一人暮らしのシンプルな部屋は、きちんと片付けられ、物はきちんとひとつひとつ居場所が決められているように生真面目に並んでいる。

「あ、先に奥の部屋入って適当にくつろいでて」
「あ、うん、ありがとう」

家主にいわれるまま、ドアを開け奥の部屋へ進んだ。
わあ、こっちもシンプルできれいに片付けてある…


って、ん!!??!
キレイな部屋の片隅にちょこんと置いてあるタンス…なぜか引き出しが1段だけ開いてるっ!
しかもなんかいろいろはみ出してるよッ!
おかしい、このキレイな部屋にこれはおかしい。
ま、まさかこれは!!!


「ど、ドロボウだよッ!ドロボウが入ったヨ!!」



<B面>

―――奥の部屋から友達の悲痛な叫びが!!
私はとるものもとりあえず現場に急行した!


「どどどどどどうしたのっ!」
「ど、ドロボウだよッ!ドロボウが入ったヨ!!」
「な、なにぃー!!?」
「こここここここここれっ!!このタンス、この段だけ開いてるのっ!なんかいろいろはみ出してるしッ!ドロボウだよ!!ぜったい判子とか探してたんだ!!」


「―――あ。」
「あ?」
「その引き出し壊れてるから閉めるのやめたんだ」
「直せ」



(どちらかが私です)