キンダースナイパー
命を狙われるようなことをしたらしい。
路地裏の細道を歩いていたら、刺客らしきちっちゃい子どもがすごい形相でフェンス越しに私を狙っているのだ。
武器は最新のバイオテクノロジーを駆使して生長したであろう作られたであろう、ただの木の枝ライフル銃。
ヤツは10メートルくらい前からずっと私の歩く速度にそっておでこに照準を合わせている。気まずい空気と緊張感が漂う数秒間の静寂。
そのままそ知らぬ顔して通り過ぎ(小心)、10歩進んでドキドキしながら目を開ける。
生きている。どうやら撃たれずにすんだらしい。
安堵した私が「構ってあげるべきだったか?」とやさしい大人の気持ちで振り返ると、刺客はすでに何事もなかったかのように、いとしの母親の懐で甘えていた。
ひどいわ、あたしのことは遊びだったのね。
(そのマザコンがいつか命取り)