みんなで使おう!三重弁講座

usakima2003-06-10

方言って変なものがいっぱいありますよね。私の出身三重にも変なものがいっぱいあります。


ところで皆さん三重って知ってます?えーと。まず太平洋側です。海に面してます。中部地方であり、近畿地方であり、東海地方であります。隣接しているのは、愛知、岐阜、滋賀、京都、奈良、和歌山。(かな?)

有名なものは、北から四日市公害、鈴鹿サーキット、日本一短い地名「津」、松阪牛伊勢神宮、伊賀(忍者の里)など。意外とヒットしましたでしょ???(とういものを挙げてみたつもりなんですが。え?わからない・・・しゅん・・・)これらのキーワードが同県内、しかも三重県にあると思ってない人がけっこういるのです。寂しいことに。

では、三重の言葉を見ていきましょう。(地域でけっこう違うんで、ここでは県庁所在地の津市周辺を)
大まかに大分すると、言葉は関西寄りだと思います。愛知が隣にありますが、「だぎゃー」とか「だがね」とかは不思議と全然使いません。私は、木曽三川木曽川揖斐川長良川)が言葉の融合を妨げたのだと思ってます。

基本的に語尾は「〜やん」「〜な」「〜さ」「〜に」です。「できやん(できない)」「そうやな(そうだね)」「そんでさ(それでね)」などは大体意味わかりますよね。

合体用法もあります。
「できやんやん」「できやんなぁ」「できやんよなぁ」「そうさなぁ」「そうやんなぁ」「そうなんさな」など。
(東京だと「できないじゃん」「できないね」「できないよね」「そうだね」「そうだよね」「そうなんだよね」)

この辺は関西弁と似ているのでとっつきやすいと思いますが、「〜に」だけが多分独特でわかりづらいと思われます。

「〜に」は、
用法的には「〜しようよ(勧誘)」とか「〜するよ(意志)」というときに使います。

例1)行こうよ→行こに
例2)行くよ→行くに

基本的に語尾はだる〜っと伸ばしましょう。
「行こにぃ〜(行こうよ)」「やろにぃ〜(しようよ)」「しやへんに〜(やならいよ)」など「に」「に」いっぱい使うと面白いですよ。

それでは例題です。例えば東京でこういう会話

「ねぇ、明日渋谷に行かないー?すごく買いたい服があるんだけどー」
「あ、ほんと?私もちょうど行きたかったんだー。行こ行こ!」
「じゃあー、明日11時に渋谷のハチ公前で待ち合わせね。」
「いいよー」

当日

「ちょっと、遅いじゃなーい。私1時間待ったよー」
「ごめん!カギがみつかんなくってー」
「もう。しょうがないなぁ」
「なんか、おごるからー、ゆるしてよ」

  ↓

これが三重ではこうなる

「なぁ、明日四日市行かへん?めっちゃ買いたい服あるんやけどさぁ」
「あ、ほんまに?うちもちょうど行きたかったんやん。行こに行こに!」
「そんなら、明日11時にスターアイランドの前で待ち合わせな」
「ええよ〜」

当日

「ちょお、遅いやーん、うち1時間待ったんやに」
「ゴメン!カギみつからんだんさー」
「もう。しゃーないなぁ」
「なんか、おごんでさー、ゆるしてよ」

どうですか?わかる人はわかると思いますが、大阪や京都、神戸などの関西弁とは違います。でも、東日本の人にとってはけっこう関西弁に聞こえるみたいですね。

ちなみに三重北部はいいのですが、三重の南部(和歌山寄り)では同じ三重県人にも意味不明な方言が多々あります。縦に異様に広い三重(全国で5本の指に入る細長さ)ならではです。
あと、より関西に近い西部地域は「できやん」を「できひん」とか言ったりしまして、やっぱり違います。ほんと三重は広い。

では、最後に私のお気に入りな方言編
(しかも絶対標準語だと信じて疑わなかったもの)

かんぴんたん

ミミズやカエルなどのゲテモノ類(とくにすこし水分を含むもの)が、ぺちゃんこに潰れた挙句、乾いてカピカピになった状態。

用例:あ!ミミズのカンピンタンや!
(あ!ミミズがぺちゃんこに潰れてカピカピに乾いてる!)

机を吊る

三重に引っ越してきた子どもが、衝撃を受ける言葉の一つ。狭義では手で机を持ち上げること。広義では、持ち上げてどかすこと。けっして天井から吊り下げようとしてはいけない

用例:掃除の時間になりました。当番さんは机を吊ってください。
(掃除の時間になりました。当番さんは机を持ち上げてどけてください)

ちみぎる

つねること。他県の友だちに、「すごい痛そう」といわれました。

用例:痛い!ちみぎらんといてさ!
(痛い!つねらないでよ!)

とごる

沈殿すること。これは本当に絶対標準語だと信じて疑わなかった。というか、みんなは何て言ってんの?溜まる?

用例:コーヒーよう混ぜやんだから砂糖とごっとんで
(コーヒーよく混ぜなかったから砂糖が底に溜まってるよ)

どべ(どべっち)

最下位のこと。

用例:かけっこでどべやった
(かけっこで最下位だった)

ちゃうんちゃう

ちがうんじゃない?、の意味。三重弁かどうかは不明。多分他の県でも使いますよね。「ちがうちがう」の「ちゃうちゃう」とあわせて使って以下のような会話をすると、まるで言葉あそびのようになって面白いから番外編として載せます。

用例:「あの犬チャウチャウっちゃう?」「ちゃうちゃうチャウチャウちゃうんちゃう?」
(「あの犬チャウチャウじゃない?」「違う違う。チャウチャウじゃないんじゃないの?」)

と、いう感じです。
ぜひ流行らせてください。「かんぴんたん」あたりは受けが良いです。あまりにも語呂が良いので(笑)。かーんぴーんたーんとか抑揚をつけて呼ぶとよりそれらしい。

あと「に」も面白いからいろんな語尾につけてみてください。うわ、もうこんな時間や〜ん。もう寝たほうがいいんちゃう?そやな〜。そろそろ寝よかなぁ。そやに、寝よに。寝よ寝よ。
・・・では。